医療保険
医療保険とは
シンガポールの医療環境は東南アジア屈指であり、日本人医師も年々増えています。ほとんどの専門分野がカバーされていると言ってもいいでしょう。日本人医師だけではなく世界中から優秀な医療従事者を集めており、東南アジアの医療ツーリズムのハブとして有名です。域内の多くの富裕層がわざわざシンガポールの病院に検査や通院、入院することで知られています。
ところで、シンガポールの医療費は高い高いと言われていますが、実際にシンガポールの病院に入院したらいくらかかるのか?まずはこの点を調べてみたいと思います。
私の手元に2012年から2015年までの4年間のシンガポール国内の各病院の病室にかかる料金一覧表があります。4年間の推移が一目でわかります。なんと、公立病院で平均20%増、私立病院で15%増となっています。年々高騰しているのが目に見えて実感します。
ご参考までに2015年現在の病室一覧表の抜粋を以下に記してみます。
主な公立病院 | 一人部屋 | 4人部屋 |
Changi General Hospital | 390 | 289 |
National University Hospital | 471 | 225 |
Tan Tock Seng Hospital | 420 | 266 |
Singapore General Hospital | 371 | 283 |
主な私立病院 | 一人部屋 | 4人部屋 |
Gleneagles Hospital | 569 | 242 |
Mount Elizabeth Hospital | 598 | 258 |
Raffles Hospital | 578 | 223 |
こうしてみると、公立の病院も若干安いとはいえ、私立病院と比較してもそんなに大差ない高額であることがわかります。5つ星ホテルより高い病室代!これはお部屋代のみで手術費や麻酔、医師による診察費、雑費、食費など含まれていません。手術費は莫大にかかるであろうことは容易に想像できます。
このような高額の医療費を保険で保障しようと政府主導で進められています。2015年11月からはシンガポールの保険制度は皆保険制度に変更される予定で、保険料も更に高くなることが発表されています。
一方、民間の保険会社が提供している医療保険は、限度のある政府系保険ではまかないきれない範囲を万全に保障する手厚い保険なども用意されています。また、入院・手術にかかる実費とは別に、長期療養に備えての収入タイプの保険なども用意されています。
CPFMediShieldの保険制度も整備されているとはいえ、シンガポールでは個人で医療費をまかなっていかなくてはならない現実があります。医療費の高騰に伴い、保険会社の提供する医療保険の保険料も残念ながら値上がりに歯止めがかかっていない状況です。外国人は特に、シンガポール政府からの補助がまったく受けられない状況にありますので、個人での医療保険加入が必要です。医療保険といっても様々なタイプの保険が存在します。どのような保険が自分に必要なのか、現在どの保障分野が足りないのか、専門家に相談しながら様々なシチュエーションに沿ってじっくり考えて、上手に保険を取り入れていただければと思います。